冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
知らなかった。埜夜くんがそんな前からわたしを想ってくれて、こうしてそばにいてくれてたなんて。
「両親の説得も、ゆずのおじいさんからの許しをもらうのも、ぜんぶがすんなりいかなかった。時間はかかったけど、俺は今こうして柚禾のそばにいる」
「っ……」
「ずっと柚禾だけを想ってた」
わたしのそばにいるためだけに、埜夜くんはいろんな決断をしてくれたんだ。
「この気持ちは一度だって消えたことない。柚禾は俺の初恋だよ」
「わたし、何も知らなくて……っ。埜夜くんばかりに大変な思いさせてる……っ」
「そんなことない。これは俺がぜんぶ自分で決めたことだから」
「で、でも……」