冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


「どうした?」

「わかってるのに聞くのずるい」


「なにが?」


クスクス笑ってる埜夜くん。

頬を膨らませて、両手をバッと広げてみた。


「いつもみたいにしてほしいんだ?」

「ほらぁ、わかってる……!」


「ゆず可愛いから」


なんて言って、ちゃんとギュッてしてくれる埜夜くんは、わたしに甘いと思うの。


もちろん、甘いのはふたりっきりのときだけ。

みんなの前では、お嬢様と執事の関係は変わらず。


* * *


「わぁ、ついに付き合うことになったんだ! おめでとう‼︎」


「ありがとう実海ちゃん。いろいろ話聞いてくれたり、相談に乗ってくれてほんとにありがとう!」


「いえいえ~。柚禾ちゃんと栖雲くんお似合いだ~!」


「お似合い……なのかな」


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