冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


職員室に向かう途中の廊下。何やら女の子たちの声が騒がしい。

しかも、ものすごく注目を浴びてるような気がする。


「声かけてもいいかな⁉︎」

「今しかチャンスないよね!」


埜夜くんめがけて走ってきた女の子たち。

あっという間に五、六人くらいに囲まれちゃった。


「栖雲くん! 今日はどうしてここに⁉︎」

「お嬢様の付き添いです」


「えー、栖雲くんが誰かの執事になっちゃうなんて!」


埜夜くんかろうじて笑顔だけど、目の奥が笑ってない気がする。

でも、女の子たちは構わずグイグイ押してる。


「わたしも特進科に進みたかったぁ!」


「わたしも‼︎ 栖雲くんが執事として仕えてくれるなんてサイコーじゃん!」


やっぱり埜夜くんモテるんだ。

これだけ目立つしかっこいいもんね。


< 30 / 242 >

この作品をシェア

pagetop