冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
職員室に向かう途中の廊下。何やら女の子たちの声が騒がしい。
しかも、ものすごく注目を浴びてるような気がする。
「声かけてもいいかな⁉︎」
「今しかチャンスないよね!」
埜夜くんめがけて走ってきた女の子たち。
あっという間に五、六人くらいに囲まれちゃった。
「栖雲くん! 今日はどうしてここに⁉︎」
「お嬢様の付き添いです」
「えー、栖雲くんが誰かの執事になっちゃうなんて!」
埜夜くんかろうじて笑顔だけど、目の奥が笑ってない気がする。
でも、女の子たちは構わずグイグイ押してる。
「わたしも特進科に進みたかったぁ!」
「わたしも‼︎ 栖雲くんが執事として仕えてくれるなんてサイコーじゃん!」
やっぱり埜夜くんモテるんだ。
これだけ目立つしかっこいいもんね。