冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「外に車を用意しております。このままお連れしてもよろしいでしょうか」
とりあえず、怪しい人たちではないのかな。
それよりも、おじいちゃんが生きていたことにびっくり。
今までずっと音沙汰なかったのに、急にどうしたんだろう?
「おじいちゃんに会ってみたいので……行きます」
* * *
連れてこられたのは、とある高層ビルの最上階。
大きな部屋の扉を黒服の人がノックした。
「会長。柚禾様をお連れいたしました」
重たい扉が開かれて、中に足を踏み入れた。
街全体が一望できるほどの大きな窓。
その前に広々とした机があって、高級そうな椅子に座っている人が、くるっとこちらを向いた。