冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
苦しそうなこの声は、埜夜くんじゃない。薄っすら目をあけると……。
「たの、む……。それ以上は、やめてくれ……っ」
ひとりの男の子が地面に倒れていた。
埜夜くんが男の子の片腕を後ろからつかんで、動けなくしてる。
他の男の子たちはみんな、埜夜くんが放つ空気に圧倒されて今にも逃げ出しそう。
「これですむと思ってんの」
「ぐぁ……っ、う……」
つかんでる腕にさらに力を込めて、相手も苦しそうに声をあげてる。
「もっとわからせてやるよ。柚禾に手出したらどうなんのか」
埜夜くんの瞳が本気だ……。
いつもの埜夜くんじゃない。
危険で冷酷で……相手に対する怒りがおさまるまで、手加減はしないし容赦ない。
「死ぬくらいの覚悟……しておけよ」