冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
とっさに身体が動いて、埜夜くんを止めるためにギュッと抱きついた。
今の埜夜くんは、誰かが止めないと危険すぎる。
「わたしは大丈夫だから! それ以上、その人を傷つけないで……!」
「……柚禾に怖い思いをさせたんだ。当然の報いだろ」
「だ、だからって、ここまでしなくても……」
「柚禾に危害を加えるやつらは全員敵とみなす……。このままここで始末――」
「それはダメ……! わたしを守ってくれる埜夜くんは好きだけど、人を傷つける埜夜くんは見たくないよ」
わたしのために、ここまでしてくれてるのも十分わかるの。
でも、埜夜くんが誰かを傷つける姿は見たくない。たとえわたしを守るためだとしても。
「おねがい、埜夜くん。もう止まって」
すると、少しずつ身体の力が抜けてきた。