冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情

ただ息抜きで、軽い気持ちでいたけど。


そういう危険な目に遭うことも、きちんと理解してないといけなかったんだ。


「わたしが後継者だって自覚が足りてなかったせい……だね」


「ただ、今回のことでゆずが自分を責める必要はない」


「どうして……？」


「ゆずはたしかに立場上、軽率な行動は控えないといけない。ただ、それでゆずの自由がぜんぶ奪われるのは違うと思う。だから、俺にゆずを守らせてほしい」


どうして埜夜くんは、わたしにここまでしてくれるの？


「俺にとってゆずは特別な存在だから」


埜夜くんからすごく伝わってくる。


言葉でも行動でも……ぜんぶが埜夜くんにとって、わたしが特別だってこと。


わたしの中でも、少しずつだけど埜夜くんが特別で……そばにいてほしい存在になってる。