冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


毎日一緒にいるからなのかな。


出会ってまだ数ヶ月なのに、昔から知っていたみたい。

だから。


「わたしにとっても、埜夜くんは大切なの。だから、あんまり無茶しないでほしい」


埜夜くんの手の上に、そっと自分の手を重ねると。

そのまま抱き寄せられて、埜夜くんの腕の中へ。


「……そんなこと言われたら期待するんだけど」

「っ……?」


「ゆずにとって俺が……」


続きの言葉を待っていたけど、そこから先の言葉は途切れたまま。


ただ代わりに抱きしめる力はギュッと強くなった。


言葉がなくても、大切にしてもらえてるのがわかるくらい――埜夜くんの腕の中はいつもあたたかくて安心する。


* * *


「今日も疲れたぁ」


また数日後。

お風呂に浸かって、今日一日の振り返り。


< 45 / 242 >

この作品をシェア

pagetop