冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
毎日一緒にいるからなのかな。
出会ってまだ数ヶ月なのに、昔から知っていたみたい。
だから。
「わたしにとっても、埜夜くんは大切なの。だから、あんまり無茶しないでほしい」
埜夜くんの手の上に、そっと自分の手を重ねると。
そのまま抱き寄せられて、埜夜くんの腕の中へ。
「……そんなこと言われたら期待するんだけど」
「っ……?」
「ゆずにとって俺が……」
続きの言葉を待っていたけど、そこから先の言葉は途切れたまま。
ただ代わりに抱きしめる力はギュッと強くなった。
言葉がなくても、大切にしてもらえてるのがわかるくらい――埜夜くんの腕の中はいつもあたたかくて安心する。
* * *
「今日も疲れたぁ」
また数日後。
お風呂に浸かって、今日一日の振り返り。