冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情

「埜夜くん、いつもありがとう」

「このままベッドまで俺が運ぶから」


わたしをひょいっと抱き上げて、お姫様抱っこでベッドのほうへ。


いつもならベッドの上におろしてくれるんだけど。


わたしを抱っこしたまま、埜夜くんがベッドに座ってる。


「ゆず最近疲れてる？」

「え、あ……疲れてないって言ったら嘘になるかも」


慣れない環境で、少し疲れがたまってるのかな。


「んじゃ、リラックスする方法試してみる？」

「へ……？」


わたしの背中に回ってる埜夜くんの手にグッと力が入って。


そのままぜんぶをあずけるように、埜夜くんに抱きしめられた。


「ハグするとリラックス効果あるらしいよ」


埜夜くんの体温を近くで感じて安心するけど、それ以上にドキドキしちゃって。