冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「ぅ……なんか目が冴えてきた……」
「さっきまであんな眠そうにしてたじゃん」
「埜夜くんがこんなことする……から」
「するからどうしたの?」
「ドキドキして眠れないの……っ!」
これじゃ、リラックスどころか心臓に悪くて落ち着かないよ。
「へぇ……俺にドキドキしてるんだ?」
「だって、埜夜くん近い……」
「ゆずが嫌なら離れるけど」
「う……や、あんまり近すぎるのは……」
「じゃあ、どれくらいならいい?」
抱きしめる力を少しゆるめて、わたしの顔をひょこっと覗き込んでくる。
「あ、ぅ……どれくらいとか、わかんない」
恥ずかしすぎて、それを隠すために顔をそらした。
それを見て埜夜くんがクスッと笑う。
「俺はゆずに触れたくて仕方ないのにね」
なんて言って、もっとギュッてしてくるの。
次第に眠気がグッと強くなってきた
まぶたが重くてうとうと……。
「ゆず」
「ん……。やよ、くん……」
「あー……ほんとなんでこんな可愛いんだろ」
眠くてボーッとする意識の中で。
「早く俺のものにしたい」
そんな声が聞こえた気がした。