冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「ゆずの顔見えないんだけど」
「うぅ、見えなくても別に問題ないでしょ?」
「あるよ。俺が見たいから」
「会話が成り立ってない……っ!」
恥ずかしくて自分の顔が真っ赤なの、見なくてもわかる。
それくらい、今のわたしはいっぱいいっぱい。
なのに埜夜くんは、ちっとも手加減してくれないの。
「ひゃ……っ、今度はなに?」
「ん? 髪ひとつにまとめたほうがいいかって」
急に髪をすくいあげられて、埜夜くんの手が首筋に触れたからびっくり。
「ほんとゆずは何しても可愛いね」
「っ⁉︎ な、なに急に⁉︎」
「俺がいつも思ってること言っただけ」
……なんて、またドキドキさせること言ってくるから。
しばらく下を向いておとなしくしてると。
帯を締めるために、埜夜くんが畳に片膝をついた。
「俺の言葉に顔赤くして……可愛い」