冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
お風呂あがりでボーッとしてたのか、足を滑らせてそのまま埜夜くんの胸の中にダイブ。
よ、よかったぁ……埜夜くんがいてくれて。
「ゆずから抱きついてくるなんて積極的じゃん」
「これは不可抗力だよ!」
「んじゃ、俺が触れるのもあり?」
「だ、だから、埜夜くん近いんだってば!」
愉しそうに笑いながら、わたしの腰のあたりに手を回して離してくれない。
「ってかさ、ゆずのそれ無自覚?」
「何が?」
「その上目遣い。いつも食らう俺の身にもなってほしい」
「えぇっと……」
よくわからなくて首を傾げると、埜夜くんはさらに深いため息をつく。
「はぁ……やっぱそれ狙ってんの?」
おでこがコツンと触れて、ものすごい至近距離で視線が絡んでる。
そらそうとするのを許してくれない。