冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
お嬢様と執事の絆はいかに
お嬢様としての生活が始まって、気づいたらもう三ヶ月が過ぎようとしてる。
不安だったはじめてのテストも、無事なんとか乗り越えることができた。
「やっといろいろ落ち着いたぁ……!」
普通科目の筆記テストも、なんとか全教科平均点を超えることができ……実技のテストも問題なくすべて合格。
これもぜんぶ埜夜くんのおかげ。遅くまで勉強に付き合ってくれたり、他の面でもいろいろサポートしてもらったから。
埜夜くんがいなかったら、どうなってたことか。
今日の夜は久しぶりにゆっくり過ごせそう。
ここ最近ずっと勉強ばかりで自分の時間を作れなかったからなぁ。
「あ、この映画いいな」
毎年いろんなシリーズが映画化されてるんだよね。
わたしが何気なくつぶやいたのを、埜夜くんは聞き逃さなかった。
「テスト頑張ったことだし、今から観る?」
あっ、もしかして今からレイトショーとか?
でも高校生だから無理だよね?
――なんて、どうやらわたしの想像とは違ったようで。