冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
いざ舞踏会へ
もうすぐ夏本番の七月。
「あ、そっか! もう舞踏会の時期なんだぁ」
「ぶ、舞踏会⁇」
実海ちゃんが、タブレットで年間のスケジュールを見ながら楽しそうにしてる。
「毎年ね、この時期にある行事なんだよ~」
「えっ、そうなの⁉︎ それってみんな参加?」
「もちろんっ。特進科の生徒だけの行事だから全員参加だよ!」
「英華学園では、特進科のクラスの生徒のみ、舞踏会が毎年恒例行事のひとつとなっています」
そばにいる加賀美くんが説明をしてくれた。
それにしても、舞踏会が恒例行事って……やっぱりお金持ち学園はすごすぎる。
「お嬢様が参加するのはもちろん、わたくしたち執事もお嬢様のパートナーとして参加いたします」
なんでも舞踏会でお嬢様と執事が一緒に踊るみたい。
「今年はどんなドレスにしよう~」
「実海お嬢様にあわせて、すでに何着かわたしのほうで選んでおりますので」
「えー、たのしみっ!」