冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
舞踏会当日は大きなホールを貸し切って、みんなの前で踊るらしい……。
「ゆずは俺にあわせてくれたらいいよ」
「足引っ張らないように頑張るね……!」
けど、そもそもあわせるとか、どうしたらいいの?
「ほらもっと俺に身体あずけて」
「うわっ、近いよ埜夜くん……!」
「そんな離れてたら踊りにくいから」
ホールにはわたしたち以外にも人がいるのに。
埜夜くんは、周りのこととかあんまり気にしてなさそう。
「ゆずは覚えがいいから。練習の回数重ねたら自然と身体が覚えると思う」
それから何日間か、放課後に埜夜くんとホールに残って練習の繰り返し。
ってか、埜夜くんすごすぎない?
さらっと踊りもこなしちゃうし、わたしをリードする余裕まである。
やっぱり埜夜くんは完璧で、できないことなんてないのでは?