冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情

早速着てみることになったんだけど……埜夜くんが部屋から出ていってくれない。

むしろ着替えるの手伝おうとしてる？


「ま、まって！　着替えは自分でやる！」

「ゆずがひとりで？」


え、何そのできるの？みたいな顔。


「や、埜夜くんは部屋の外で待ってて！」


なんて強がってみたものの……。

ドレスなんてまったく着たことないから。


試行錯誤、頑張ってみた結果。


「や、埜夜くん……」

「どうした？」


「うまく着られない……」

「だろうね。俺が手伝うから」


着物といい、ドレスといい。

そもそも着慣れてないものが多すぎるんだよぉ……。


「ぅ……やよ……くん、まだ……？」

「着せるの大変なのわかってる？」


「わ、わかってる……けど！」


首の後ろで結ぶリボンが、少し肌に触れたくらいなのに。