冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
わたしのドレスにあわせて、黒のタキシードに革靴。
それに、前髪もあげてセットしてるから。
「ゆず?」
「う、あ……今日の埜夜くん心臓に悪い」
「なんで?」
「いつもと雰囲気違って、大人っぽい……から」
「それならゆずだってきれいだよ……ずっと見てたいって思うくらい」
「埜夜くんストレートすぎ……っ」
「誰にも見せたくない」
「も、もうわかったからぁ……!」
これ以上ドキドキさせられたら、舞踏会の前に倒れちゃう。
「俺これでも抑えてんだよ……夜が待ちどおしい」
「夜……?」
「早く可愛いゆずとふたりっきりになりたくて仕方ないから」
「……っ、もう! この話はこれで終わり!」
車が目的地に到着。
ドレスは薄いピンクのロングドレスにした。
腰のあたりに大きなリボンが結ばれていて、やわらかく膨らんだ袖が可愛いパフスリーブと呼ばれるデザインのもの。