冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「だいぶ疲れた?」
「う、うん。けど、いい経験になったかなって思う」
こうしていろんな機会をもらえるのって、貴重なことだから。
同時にもっと成長しなきゃいけないなって思えた。
これから先……どんな試練や困難が待ってるかわからない。それをぜんぶ乗り越えていかなきゃいけないから。
「いつも埜夜くんに助けてもらってばかりで……本当にありがとう! わたしも今よりもっと成長できるように頑張らないとだね!」
「ゆずは新しい環境で十分すぎるくらい、たくさん頑張ってるよ」
何かを思い出すような、優しい瞳をしてる埜夜くん。
わたしの目をじっと見つめて、わたしの両手をギュッと握りながら。
「ゆずのひたむきさとか、真っすぐさとか……何もかも昔から変わってない」
「む、昔からって……」