冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
さっき朝ごはんいらないって言ったけど、お腹空いたかも。
お昼まで我慢かな。
「これ。簡単に食べられるものにしたから」
「え?」
小さなボックスに入ったサンドイッチ。
もしかして埜夜くんが作ってくれた?
「ゆずいつも朝ごはん欠かさず食べてたから」
「ありがとう。いま食べる」
やっぱり埜夜くんには、何もかもお見通しみたい。
* * *
学園でも、とにかく埜夜くんを意識しないようにすればするほど空回りする。
実海ちゃんと教室を移動してるときも。
「うわっ……‼︎」
「柚禾ちゃん大丈夫⁉︎」
何もないところで何度も転びそうになるし。
授業中だって。
「羽澄さん。その作法は間違っていますよ」
「え、あっ、すみません!」
「ここ最近同じ間違いが多いので気をつけるように」
「は、はい……」