冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情



「柚禾には家柄に縛られることなく、自由にのびのびと育ってほしいというのが、柚禾の母親の願いだったんだ」


お父さんは名家の御曹司。
お母さんは一般家庭の生まれ。


家柄の違いがあるふたりの結婚を、周りはあまりよく思っていなかったらしく。

それでも、自分たちの想いを大事にしたお父さんとお母さんは結婚した。

そして、その間にわたしが生まれた。



「柚禾、お前は羽澄家の人間だ。後継者として覚悟を持ってほしい」


お母さんはずっと、わたしの自由な生活を守り続けてくれていたんだ。だけど、もう守ってくれる人は誰もいない。


この事実を、今はっきり受け止めるしかないの……?



「将来、羽澄の名に恥じないよう、これから成長していく姿を楽しみにしている」


< 8 / 242 >

この作品をシェア

pagetop