冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「うぅ、どうなんだろう……」
「これは栖雲くんに気持ちをたしかめるしかないよ!」
「え、えぇ⁉︎ そ、そんなの無理……!」
「なんで⁉︎」
「だ、だって……」
まだ話してる途中だったのに、タイミング悪くお昼休み終了のチャイムが鳴った。
それから午後の授業中、考えるのは埜夜くんのことばかり。
わたし埜夜くんが好き……なのかな。
だからドキドキして、触れられてもキスされても嫌だって思わない……?
じゃあ、埜夜くんは……わたしのことどう思ってるんだろう?
あのキスはいったいどういう意味でしたのかな。
これじゃ、ますます埜夜くんを意識しちゃう。
* * *
そんなある日。
朝いつも起こしに来てくれる埜夜くんが来なかった。
代わりに来たのはメイドさん。
「柚禾お嬢様、おはようございます」