冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「あ、おはようございます。えっと……」
「栖雲さんでしたら、本日お休みをいただいております」
理由を聞いたら、なんと風邪をひいてしまったそう。
熱もかなり高くて、回復するまで執事の仕事をお休みするんだって。
だから、その間わたしの身の回りのお世話はメイドさんがやってくれる。
そういえば、昨日の埜夜くんいつもと少し違ってた。
朝、起こしに来てくれたとき、ボーッとしてたし。
お弁当を用意してくれたけど、お箸が入ってなかったり。
夜もお風呂の設定温度が、かなり低めになってたり。
思い返してみると、完璧な埜夜くんがこれだけ抜けてるのは珍しい。
今日は授業も休みだし。
埜夜くんは、使用人専用の部屋で休んでるから、行ってみてもいいかな。