冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
埜夜くんが、わたしを見て目をギョッと見開いてる。
「いつもの埜夜くんみたいな格好してみた」
「はぁ……さっきも言ったけど、頼むからおとなしくしてて」
埜夜くん呆れ気味……。
やっぱりわたしが看病するの迷惑なのかな。
「埜夜くんが心配で。いつもお世話になってるから、わたしで役に立てることあったらしたいなと思って」
「……その気持ちはうれしいんだけどさ」
熱を持った埜夜くんの手が、わたしの手首をつかんだ。
そのまま軽く引かれて、身体がベッドのほうへ。
「ゆずは俺のことなんだと思ってんの」
「……え?」
「俺いま熱あって、ただでさえ抑えきかないのに」
「うぇ……、あ、手……っ」
埜夜くんの熱い手が、わたしの首筋から鎖骨のあたりに触れてる。
ただちょっと肌に触れられただけなのに。