冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
* * *
たった一日で怒涛の展開を迎えすぎて、頭の中は大混乱。
しかも今まで住んでいた家から、羽澄家が所有するお屋敷に引っ越すことに。
いきなりすぎるし、いくらなんでも勝手すぎるって自分の言葉でおじいちゃんを説得しようとした。
自立してこれからひとりで生きていく覚悟もあるって。
けど……現実を突きつけられた。幼いわたしに、ひとりで何ができるって。
何も返す言葉がなかった。
――で、気づいたらわたしはお屋敷に用意された自分の部屋のベッドに寝転んで天井を見上げていた。
「もうこれ何がどうなってるの……」
真上にはキラキラ輝くシャンデリア。
ベッドはふかふかで、ひとりで寝るにしては広すぎるくらい。
可愛らしいアンティーク調の家具が揃えられていて、部屋全体はピンクと白で統一されている。
大きなL字型のソファや、高そうな真っ白のテーブル。
おまけに部屋にお風呂もあるし、奥にはウォークインクローゼットまである。