冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「俺のゆずも可愛すぎて無理」
「俺の実海もめちゃくちゃ可愛い。ってか、埜夜が見るのも許せないな」
「それそっくりそのまま返すし、俺はゆずしか見てない、興味ない」
ふたりともいきなりどうしちゃったの⁉︎
「さっ、柚禾ちゃん! 海にレッツゴー!」
「あわわっ、まって実海ちゃん! 埜夜くんと加賀美くんが――」
なんてわたしの声は届かず。
「……ったく、実海は昔からあの調子だからな。いつになったら自分の可愛さ自覚してくれるんだか」
「爽斗もいろいろ苦労してんね」
「埜夜もな。お互い無自覚なお嬢様に仕えるのも苦労するよな」
* * *
「やった~、海だ海だっ!」
ルンルン気分で砂浜を走ってる実海ちゃん。
あっ、あんまり走ると危ないんじゃ……。
「実海!」
「うわっ、びっくりしたぁ……!」