冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
実海ちゃんが転びそうになって、間一髪のところで加賀美くんが助けに入った。
「はぁ……目離すとほんと危ない」
「ごめんね……! 楽しくてつい」
「はしゃぐのはいいけど、俺のそばから離れるのはダメな」
「今の執事じゃなくて、いつもの爽斗くんだ!」
お嬢様と執事って関係はあるけれど、誰よりもお互いのことを理解し合ってそうだなぁ。
「……って、わわっ!」
ふたりに気を取られてる場合じゃなかった!
「ゆず!」
「あわわっ、埜夜くんごめんね!」
実海ちゃんと同じように転ぶところだったのを、埜夜くんがとっさに受け止めてくれた。
「ケガしなかった?」
「うん。助けてくれてありがとう」
「……ほんとゆずといると心配が絶えない」
「う、ごめんなさい」