冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


「うわっ……うぅ……!」

「あ、ゆずのほうから抱きついてきた」


「だって、埜夜くんが離れようとするから!」


埜夜くんはイジワルで、わたしがギュッてしても抱きしめ返してくれないの。


「ゆずが俺にギュッてしてくれんの好き」

「ぅ……愉しんでないで助けて」


キリッと睨んだら、埜夜くんは軽く笑ってた。


「おねだり可愛いじゃん」


わたしの背中と太もものあたりに埜夜くんの手が触れて、ちゃんとギュッてしてくれた。

わたしのほうがちょっと目線が高い。


「こうやってゆずに見下ろされるのもいいね」

「これじゃ下向けない」


「恥ずかしがって顔真っ赤にしてるの俺に見られるから?」


「い、言わなくていい」


水で少し髪が濡れて、いつもの埜夜くんよりなんか色っぽい。


それに、肌が直接触れ合ってるのドキドキする。


< 99 / 242 >

この作品をシェア

pagetop