蜜月溺愛心中
人を平気で見下しては嘲笑う梓の顔が椿の頭に浮かぶ。今の自分は彼女と同じではないかと、椿は不安に思いながらも歩いた。



その後も、椿たちは姫乃に水を差されながらも遊園地を楽しんだ。メリーゴーランドにミラーハウス、空中ブランコにジェットコースターも乗った。

「そろそろお昼にしようか」

仁がそう提案し、椿はそこで初めてもうお昼の十二時を回っていることに気付いた。時間を忘れて夢中になってしまっていたのだ。

「近くにレストランがあるよ!ここのワッフルがおいしんだって。SNSで話題になってた」

蘭がそう言い、目の前にあるレストランを指差す。真紅の壁が特徴的なレストランはお昼時ということもあって、賑わっていた。

「ワッフル……!」

椿が目を輝かせると、横にいた清貴が「ワッフルはデザートだからな」と苦笑混じりに言う。そんな二人の腕を菜月が引っ張った。

「早く行こう!」

レストランに入ったものの、お昼時のため満席であり、何人もの家族連れやカップルが席が空くのを待っている。
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