蜜月溺愛心中
清貴の横顔の写真を見ていた椿だったが、その奥に写っている人物を見て驚いた。清貴の隣に並んでパレードを見ていたのは椿だった。その顔には満面の笑みが浮かんでおり、誰が見ても「楽しんでいる」とわかる。
「私、こんな顔をしてたんだ」
梓たちと暮らしていた頃には一緒たりとも浮かぶことのなかった幸せそうな表情を見て、改めて清貴と結婚をしてよかったと椿は思う。
「……清貴さんも同じ気持ちだったらいいな」
そう呟きながら椿は写真の中の清貴をそっと指で撫でた。画面越しの彼から温もりが伝わってくることは当然ない。しかし、椿の指先は清貴に触れた時の温もりを思い出していた。
しばらくぼんやりと清貴の写真を見ていた椿だったが、ふと時計を見て休憩時間の終わりが迫っていることに気付き、慌てて清貴へメッセージを送ろうと考える。
「行きたいお店……行きたいお店……」
清貴と外食をしたのは片手で数える程度で、行ったことのないお店の方が圧倒的に多い。椿はしばらく考えた後、頭に真っ先に浮かんだお店の名前を送った。
「私、こんな顔をしてたんだ」
梓たちと暮らしていた頃には一緒たりとも浮かぶことのなかった幸せそうな表情を見て、改めて清貴と結婚をしてよかったと椿は思う。
「……清貴さんも同じ気持ちだったらいいな」
そう呟きながら椿は写真の中の清貴をそっと指で撫でた。画面越しの彼から温もりが伝わってくることは当然ない。しかし、椿の指先は清貴に触れた時の温もりを思い出していた。
しばらくぼんやりと清貴の写真を見ていた椿だったが、ふと時計を見て休憩時間の終わりが迫っていることに気付き、慌てて清貴へメッセージを送ろうと考える。
「行きたいお店……行きたいお店……」
清貴と外食をしたのは片手で数える程度で、行ったことのないお店の方が圧倒的に多い。椿はしばらく考えた後、頭に真っ先に浮かんだお店の名前を送った。