蜜月溺愛心中
足を止めることなく歩いていた清貴だったが、鞄の中に入れてあったスマホが振動した瞬間、歩く足はピタリと止まった。
「椿からの返信か?」
病院を出る前、『今から帰る』とメッセージを椿に送った。その返信かと思い清貴はスマホを取り出したものの、メッセージの送り主は椿ではなく新だった。椿とのトーク画面を清貴はタップする。数分前に送ったメッセージには、既読がついていなかった。
「風呂にでも入っているのか?」
清貴はそう口にしたものの、胸の内には不安が影を落としていた。ザワザワと夜風に近くの家の庭に植えられた木々が揺れる。その風に心を揺さぶられたかのように、清貴は走り出した。
椿はメッセージを送ると比較的早く返信を返してくる。これほど遅いのは初めてのことだった。何かあったのではないか、と清貴の首筋を冷や汗が伝う。
マンションの前にようやく到着した。すぐにエレベーターのボタンを押すものの、中々一階にやって来ない。その時間がもどかしく、清貴は苛立ちを覚えながらつま先で地面を何度も叩く。
「椿からの返信か?」
病院を出る前、『今から帰る』とメッセージを椿に送った。その返信かと思い清貴はスマホを取り出したものの、メッセージの送り主は椿ではなく新だった。椿とのトーク画面を清貴はタップする。数分前に送ったメッセージには、既読がついていなかった。
「風呂にでも入っているのか?」
清貴はそう口にしたものの、胸の内には不安が影を落としていた。ザワザワと夜風に近くの家の庭に植えられた木々が揺れる。その風に心を揺さぶられたかのように、清貴は走り出した。
椿はメッセージを送ると比較的早く返信を返してくる。これほど遅いのは初めてのことだった。何かあったのではないか、と清貴の首筋を冷や汗が伝う。
マンションの前にようやく到着した。すぐにエレベーターのボタンを押すものの、中々一階にやって来ない。その時間がもどかしく、清貴は苛立ちを覚えながらつま先で地面を何度も叩く。