蜜月溺愛心中
椿が連れて来られた部屋は、両親や妹と共に暮らしていた頃に使っていた家の一番小さな部屋だ。部屋は椿が家を追い出されたあの日から掃除されていないのだろう。冷たいフローリングには埃が積もり、窓も閉め切られていたのか異臭が鼻腔の奥を刺激していく。
「私はもういらないんじゃないの?入院した私をお父さんたちは追い出したじゃない!」
椿が困惑を隠し切れないままそう言うと、「ボロいアパートに住んで、惨めな暮らしをしてるなら放っておいたわよ」と由起子が悔しげな顔で言う。椿が黙ったまま三人を見つめていると、梓が待っていたバッグの中から封筒を取り出した。
「あんたみたいなブスが何でこんなイケメンといい暮らしをしてるわけ!?」
怒り、そして嫉妬が混じった声を出しながら梓は封筒の中身を地面に叩き付ける。床に散らばったのは写真だった。それも一枚や二枚ではなく、何十枚も撮られている。そこに写っているのは椿と清貴だった。しかし、どちらの目線もカメラには向けられておらず、これが何者かによる盗撮なのだと一目でわかる。
「私はもういらないんじゃないの?入院した私をお父さんたちは追い出したじゃない!」
椿が困惑を隠し切れないままそう言うと、「ボロいアパートに住んで、惨めな暮らしをしてるなら放っておいたわよ」と由起子が悔しげな顔で言う。椿が黙ったまま三人を見つめていると、梓が待っていたバッグの中から封筒を取り出した。
「あんたみたいなブスが何でこんなイケメンといい暮らしをしてるわけ!?」
怒り、そして嫉妬が混じった声を出しながら梓は封筒の中身を地面に叩き付ける。床に散らばったのは写真だった。それも一枚や二枚ではなく、何十枚も撮られている。そこに写っているのは椿と清貴だった。しかし、どちらの目線もカメラには向けられておらず、これが何者かによる盗撮なのだと一目でわかる。