蜜月溺愛心中

「椿は、あなたたちのせいで初めて会話を交わした時、ひどい栄養失調状態でした。もしもあの時椿が俺の目の前で倒れなければ、いつか命を落としていたかもしれない。これはただの虐待です」

「そこで俺の出番というわけですよ」

新はそう言った後、カメラのシャッターを切る。眩しさを感じてしまうほどのフラッシュに、三人の目は再び新に向けられた。

「何を勝手に撮っているんだ！！肖像権の侵害だぞ！！」

怒り狂う智也に対し、新は「すみません。これが俺の仕事なもので」と言いながらポケットから名刺を取り出す。その名刺を見た智也は顔は青ざめていった。

「新は大手出版社に勤める記者です。これまで多くの事件を取材し、記事にしてきました。今回のこの誘拐・監禁事件も記事にしてもらうつもりです」

清貴がそう言うと、梓が「嫌よ！！」と叫ぶ。誘拐や監禁は犯罪だ。犯罪をしたとなれば、どういう末路を辿るのか想像がついたのだろう。