蜜月溺愛心中
「清貴さん!私、あのお店で食べたいです!」

椿がイタリアンのお店を指差すと、お店の名前を見た清貴は「えっ!?ここでいいのか!?」と大きな声で驚く。

「その、私、外食初めてで……。ここのドリアがおいしいと聞いたことがあったので……」

初めての外食に、椿の胸の中にはわくわくする気持ちが湧いてきていた。微笑む椿に清貴は「ならここにするか」と言い、車はそのお店の駐車場へと入って行く。

学校の教室二つ分ほどの広さの店内には、日曜日ということもあって多くの人で賑わっている。ファミリー向けのお店のため、小さな子ども連れの姿もいくつかあった。

「ご注文がお決まりになりましたら、こちらのベルでお知らせください」

制服をきっちり着こなした店員がそう言い、椿と清貴はメニュー表を手に取る。メニューには椿が聞いたことのあるドリアだけでなく、ムール貝のガーリック焼きやパエリア、種類の豊富なパスタやピザ、そしてサラダが書かれており、椿は驚いてしまった。

「こんなにたくさんのメニューが……」
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