蜜月溺愛心中

「清貴さんと結婚致しました。椿と申します。以後お見知り置きください」

「まさか清貴が一番に結婚するなんて……」

新が清貴と椿を交互に見つめながら言う。その隣で菜月と蘭が「おめでとう！」と笑った清貴の肩に翔太が手を乗せる。

「いつ入籍したんだよ？結婚式は？招待状誰も貰ってないと思うけど」

「結婚式は祖母の体調が回復次第する予定だから、まだ式場も何も決めてない。暑苦しいから手を離せ」

清貴は素早く翔太の手を振り払い、睨み付ける。それを見て揶揄うように仁が「そんな態度じゃ椿さんに嫌われるよ？」と笑いながら言い、清貴は黙って彼を睨み付ける。

椿は、初めて見る清貴の表情などに緊張を覚えつつ、気になっていることを訊ねることにした。

「あの、皆さんもデートに来たんですか？」

男性三人と女性三人がいるのだ。友達のカップル同士トリプルデートをしているのかもしれない。そう椿は思ったのだが、すぐに「違うわ」と菜月が否定する。