蜜月溺愛心中
「清貴さん!お待たせしてしまい、申し訳ありません」

「いや、もっとゆっくりでもよかったんだぞ?温泉でゆっくりできたか?」

「……温泉、とっても気持ちよかったです。お肌がこんなにスベスベになるなんて!」

「そうか。牛乳飲むか?」

思わず口角を上げてしまう椿に、清貴が牛乳が入れられた冷蔵庫を指差す。瓶に入れられたどこかレトロな牛乳は、コーヒー牛乳やフルーツ牛乳など様々な味が用意されている。

「おいしそうですね!飲みたいです!」

椿はフルーツ牛乳を、清貴はコーヒー牛乳を選び、ソファに並んで腰掛ける。瓶の蓋を開け、椿は恐る恐るフルーツ牛乳に口をつけた。フルーツ牛乳を飲むことも、実は彼女にとって初めてのことである。

「ッ!」

一口飲んだ刹那、椿は頬に触れた。濃厚な牛乳とフルーツの酸味と甘味が舌を優しく刺激している。

「おいしいです……!」

椿がそうふわりと笑うと、清貴が「こっちも飲んでみるか?」とコーヒー牛乳の瓶を渡してくれた。

「いいんですか?」
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