「お姉ちゃんみたいなもんだし。」【完】
そんなことを考えていると、手を引っ張られて布団の中へ吸い込まれる
何が起こったかわからないまま、揺れる視界
「ちょっ、」
「せれねぇ…あったけぇ」
感じるのはこたくんに抱きしめられる苦しさと、体温の温かさ。
まるで抱き枕のように私を腕に収めて、まどろむこたくん。
「こんなっ…ダメだって」
私の、心臓がもたないっ。朝から刺激が強すぎる。
ドキドキして、絶対顔が真っ赤だ私。
「いいじゃん、せれねぇはお姉ちゃんみたいなもんだし」
耳元で聞こえる甘い声
言葉は残酷だなぁ。お姉ちゃんだもんね。
「琥太郎!!いつまで寝てんのよ!」
「げっ、」
バンっと大きい音を立てて、ドアを開け入ってきたのは、こたくんの本当のお姉ちゃんで、私の親友である榊原円(さかきばらまどか)
ざ、長女って感じでいつも私をリードしてくれる頼もしい親友なの。