クズなアイツが惚れたなら、
「しょうがないな、ベッド入るぞ」
「あ、うん、どうぞ」
「おまえもだ」
「え? いやいや、狭いし、わたしはソファーで」
「ソファーのが狭いだろ」
「でもっ……一応、男女だし、」
一応ってなんだ、一応って。
わかりやすく目を逸らす梅野に笑ってしまう。
「なんだよ、意識してんの?」
「ちが…っ」
「じゃあ問題ないな?」
「え、」
「意識してないんだろ?」
「うん」
「じゃあ問題解決、この真冬に片方布団なしで風邪引かせても面倒だから、俺らはこのベッドで寝る、いいな?」
「…うん」
そんなこんなで転がったベッドの上。
目を閉じて数分経過するも、もぞもぞと足元を動かしていた。
………全然寝れねー。
隣でただただ朝を迎えるくらい余裕だと思ってたのに…………おまえのせいだぞ、夜市氷牙。