クズなアイツが惚れたなら、


「…方程式に当てはまらないから2番」

「……え?」

「この問題の答え」

「あ、うん」

「ほらな、ちゃんと聞いてただろ?」




なんとか自力で空気感を戻したものの、その問題が最後の空欄だったせいで、梅野の教えは強制終了となり。

再度、沈黙が流れる。




「じゃ、じゃあ、わたし、これ提出してくる」

「梅野」

「っ、」




どうにか逃れたがっているような小さな身体を、気づけば引き止めていた。

掴んだ手首に熱が伝う。

そこからまるで全身に行き渡ったように心臓が暴れ出した。






「────俺、梅野が好きだ」




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