クズなアイツが惚れたなら、



予定もしていなかった告白に梅野が瞳を大きく開き、それに俺も焦る。


誰もいなかったからって、絶対に今じゃなかっただろ……っ。

どんなタイミングで言ってんだと後悔してももう遅い。

解放した小さな腕がぱたりと落ちた。




「……梅野」

「っ、」



俺の呼びかけに反応した梅野が、かあっと頬を赤く染める。



「い、」


のたうちまわる心臓にわけがわからなくなって言葉に詰まった。



「いまの、へんじ、かんがえといて……くれ」



それでもなんとか絞り出せた勢いのまま、駆け出す。


………くそ、前代未聞だぞ、この俺が告白して恥ずかしさに背を向けるなんて。


帰宅途中、そこらへんの窓に映っていた自分の顔は、さっきの梅野より真っ赤だった。



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