クズなアイツが惚れたなら、
直江とは、腐れ縁というか、なんというか。
なにがきっかけでつるむようになったのか忘れたくらい、気づけば一緒にいる。
変に飾らなくてもいいこいつとの空気感は気楽でいい。
「お、なに、そのほっぺ。殴られた?」
「……おまえもそれか」
「え?」
「梅野にやられた」
「えっ、梅野って……ゆいちゃん?」
目を丸くする直江。
俺が叩かれた時と似たような反応だ。
「知ってんの?」
「そりゃだって、女神でしょ? やさしーよね、ゆいちゃん。俺、前に担任に頭叩かれた時、先生だからって暴力はだめですよって堂々と言ってくれてさ」
「へー」
優しいって? あれが…?
なんか読めないやつだし、読んでる本は謎にこえーし、笑いのツボまでおかしい。
なにが女神だ。ただのヘンなやつだろ。