クズなアイツが惚れたなら、
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変だ、やっぱり様子がおかしい……。
連日のハードな部活で溜まっている背中の疲れを伸ばしながら、テーブルで頬杖をついている友達──夜市氷牙をチラリと覗く。
全体的にだらんとしすぎてる。
元々こいつはだらけたやつだけど、どう話しかけても「あぁ」「ん」とか、ここまで無気力ではなかったはずで。
……んー、どうすっかね…。
原因はほぼ見当がついてるものの、解決策に悩んでいた。
そもそも最初に異変を捉えたのは冬休み後半のこと。
氷牙の家に遊びに行くと、明るく出迎えてくれたのは氷牙のお母さんとお父さんで。肝心の当人はベッドで抜け殻状態に。
ちょうど土日で両親がいたからよかったけど、氷牙だけだったらインターホンにすら気づかなかったんじゃないか……?
「氷牙」
「…ん」
「学食来たのに食べねーの?」
「あぁ」
「ダイエットでもしてんのかよ、ちゃんと食べないとミイラになるよ」
「そうだな」
だめだ、こりゃ。
さっきから5文字以内の返しばっか。
突然のミイラ発言を肯定する時点でもうこれ、上の空だろ、絶対。