クズなアイツが惚れたなら、



梅野がぴくりと動く。



「で、出ようか」

「…だな」



考えてみれば、ここはファミレスで、それなりにガヤガヤはしてるものの、大声を出せば目立つのは当たり前だ。

…てか、なんでここで話してんだ、俺らは。


そう思い、肩をすくめながら外へ出る。


広々と酸素が行き渡る外は、さっきより身体を軽くした。




「夜市くん、どこ行く……?」

「とりあえず、」

「うん?」

「さっきの続き」

「え」




はた、と梅野の方を向く。




「俺が好きだって、そう言った?」

「…う、ん」



ほんの少しだけ斜めに下がる視線。
恥じらいながらそれを上げたかと思うと、にこりと三日月型になった眼が微笑む。




「夜市くんが、好きだよ」

「…っ」




─────あぁ、やばい、本気で。


逃げたくなるほど早鐘を打つ心臓に、耐えきれなくなって顔を覆う。
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