クズなアイツが惚れたなら、
after short story 2
*夜市side*
「おはよー、氷ちゃん」
「ん…」
「氷牙、起きたか。母さんが朝ごはん作ってくれてるぞー」
「ん…」
「おはよう、夜市くん」
「ん………………、ん?
………………………………は!?」
寝ぼけ眼をがしっとこじ開ける。
右から、母さん、父さん、梅野…。
いやいやいや、幻か?
ついに頭いかれたか、俺。
もう一度右から、母さん、父さん、
「梅野?」
「…お邪魔してます」
「っなんで、」
幻じゃなかったらしい。
リビングで母さんにオレンジジュースを差し出され、にこやかに対応しているのは、紛れもなく梅野だった。
休日の朝と自宅と梅野が頭でうまく整理されず、呆けた顔を向けている俺に、母さんがどういうわけか説明しだした。