クズなアイツが惚れたなら、(旧・プレイボーイが落ちるまで)
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薄いオレンジがほんのり差し込む空き教室。
使われていないそこで考えるのは、数分前のこと。
そもそも今日は球技大会で、いつもより早く終わった学校を誰もが足早に去っていくわけで。
だからこそ教室に残っている梅野に話しかけやすいんじゃないかと思っていた。
案の定、すぐには帰り支度をしない様子の梅野に、人も減ってきたところで声をかけようとすると、
「ゆい、お待たせ」
「あ、布瀬(ふせ)くん」
いつもの待ち合わせ。
まるでそんな雰囲気で梅野の隣に座った男がいた。
そいつを見かけたこともない俺は、梅野との接点なんて当然知らず、とりあえずふたりの間に入る気分でもなくて教室を出た。
そして、今、女といる。
「ちょっと、痛いんだけど」