クズなアイツが惚れたなら、
始まりはゆらりと
☩
☩
学校終わり、そのまま帰る気分でもなくて、家に向かう道と同じ道路沿いにあるファミレスになんとなく足を運ぶ。
「いらっしゃいませー、何名様ですか?」
「ひとりで」
お好きな席にどうぞと言われ、窓際の一番奥まで進んだ。
今日の疲れをどっと下ろすようにイスに座ったところで、ふと思い出す。
『授業中に寝るの何回目かね、きみは。舐めてるのか!』
社会の授業、決まって眠くなる俺が放課後に説教されるのも、今年で何度目か。
数えてないから知らないけど、10は超えてるな。
だいたいあの教師の授業は半分くらいがしょーもない世間話。
それを毎回聞かされて眠くならない方がおかしいだろ。
ぶつくさ文句を芽生えさせながらも、メニュー表を見て料理を決める。