クズなアイツが惚れたなら、
そう言っておいて、蹲る違和感が少しだけ顔を出す。
それと同時に先輩に喋ったタイプの話も思い起こされた。
ピュアだろうがビッチだろうが、俺の目に留まったやつ。
それが自分の好みであることに変わりはないが、確かに最近、梅野が視界に入りすぎている。
……面白くない。
逆ならまだしも、こんなのはほんとに面白くない。
「まあ、気まぐれだろ」
「そうかねぇ」
「そうだよ」
言葉で例えるならば、梅野は友達みたいなもんだ。
直江と同じく、気を張らなくてもいい、楽でいい、そういう存在。
時計を見ると、もうあと5分。
5分で昼休憩は終わってしまう。
まだまともに箸すらつけていなかった自分のラーメンをため息を吐きながら素早く胃袋に入れた。