クズなアイツが惚れたなら、(旧・プレイボーイが落ちるまで)

そのまま倒れるさまを見ているのも、それはそれで俺らしいけど、なぜか手が助けたんだから、しょうがない。


堂々と向けられる梅野の嫌そうな視線は、俺にはどうしてか、面白かった。






すっかり日の暮れた校内をスタスタと歩く。



「急ぐよ、夜市くん…!」


さっきから小走りでこっちを振り返っては止まり、また進んでは俺がついてきているか確認する梅野の動きは、おてんばなうさぎみたいだ。


「なんでそんな急ぐんだよ」

「だって、コンビニ行くじゃん」


それはそうだ。

掃除で疲れた身体、終わったらなんか飲みたいねーなんて梅野が言うから、じゃあコンビニでも寄るか、と話したのは、ついさっきのこと。



「言っとくが、コンビニは24時間だぞ」

「知ってるよ、見たい番組が始まっちゃうの」



……やっぱりこいつは、バカでしかない。
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