クズなアイツが惚れたなら、(旧・プレイボーイが落ちるまで)
録画機能があるだろうが。
事前にするとか、そもそも、そんなに見たいなら、掃除なんか適当にやればよかったんだ。
金魚に餌やってニコニコ眺めている時間だけで10分はあったぞ、梅野。
前回の帰り道で感じたとおり、梅野は意外と足が速い。
道路沿いにあるコンビニが見えると、目を輝かせて入っていく。
「夜市くん、なに買うの?」
「サイダーと唐揚げ。梅野は?」
「玄米茶と焼きスルメ」
「……おっさんか」
「な、、」
がーん、と。頭を垂れた梅野が、さっきまで上機嫌で入れていたカゴの中身を名残惜しそうに戻そうとする。
その動きがおかしくて、俺はこっそり梅野が選んでいた商品を自分のカゴに入れて会計をした。
「ほらよ」
「えっ」
好きなもん食えばいい、と投げ渡す。