クズなアイツが惚れたなら、
交差する欠片
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期末テスト当日。
そこまでーと言う先生の声と同時に手を止める。
空欄なしの国語の解答用紙、俺にしては頑張った。
ひたすら繰り返すことで頭に染みついたのか、意外とちゃんと書けた漢字には自信がある。
未だに理解できない登場人物の心情とやらも、間違いを指摘してきたときのイラつく梅野を思い起こせば、結構、答えは記憶に残っていた。
なんだ、俺、意外と国語いけるんじゃねーの?
優雅に足を組みかえて教室内を眺めていると、後ろを振り返って明らかに俺を見ている梅野と目が合った。
すっと立ち上がった梅野がそのままこっちに向かってくるから、少し驚く。
「どうだった、国語」
おい、梅野。
それより視線に気づけ。
珍しい組み合わせだとでも思われているのか、数人が俺らの様子に二度見している。