クズなアイツが惚れたなら、


「…梅野」

「え?」



…と、また、あいつか。


左側の奥の方。
テーブルの上で仲良さそうに向かい合って食べている梅野と布瀬。



「氷牙、なににする?」

「サンドイッチ」

「え、珍しい」



食券機には人が並んでいる。

それよりは早く食べれそうな、学食のなかですでに出来上がっているサンドイッチをひとつ買った。


すぐに奥へと進む。




「よう、梅野」


布瀬と話していた顔がこっちを向いて、笑みが消える。

なんだよ、と思いながら隣に座ると、お釣りを掬いあげるのに手間取っていた直江も後ろから顔を出した。



「あれ、布瀬……と、ゆいちゃん」

「どうも」



ペコリ。小さな頭が少し下がる。

……おい、俺には驚いたくせに、直江には笑いかけやがったな、梅野。


察したような顔をした直江が、そそーっと布瀬の横に座って、微妙な関係性の4人がテーブルを囲んだ。

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